世界へ発信する文化拠点としての神保町へー開催御礼 シンポジウム「世界の神保町を目指すー“知のプラネタリウム”の発信」

「出版・本の街」神保町の可能性を発展的に見直し、日本の豊かな出版文化を世界にアピールしていく拠点としての役割を論じながら、神保町の活性化に関わる諸団体が協力して今後取り組んでいく出発点とすることを目的に、6月26日にシンポジウム「世界の神保町を目指すー“知のプラネタリウム”の発信」が開催されました。

東京文化資源会議主催のもと、神保町文化発信会議(活字文化議員連盟、出版文化産業振興財団(JPIC)、東京文化資源会議、本の街・神保町を元気にする会、文字・活字文化推進機構、読売新聞社)共催のもとに開催されたシンポジウムには、来賓および一般参加者を含めて250名ほどが集まった。

 

冒頭、主催挨拶として東京文化資源会議 会長である吉見俊哉より、東京文化資源会議がこれまで取り組んできた活動、多様な文化資源が集積している神保町の可能性、そして本シンポジウムの意義やこれからについてお話させていただきました。

 

基調報告では、衆議院議員で活字文化議員連盟会長である上川陽子氏より、ビデオメッセージにて、神保町への思いや、政府が6月に閣議決定した骨太の方針において、書籍を含む文字・活字文化の振興か書店の活性化を図ることを盛り込んだことについてなどをお話いただきました。上川議員より、神保町を世界の拠点として発信するチャンスであること、書店や書店街は日本文化や日本コンテンツの発信拠点であり、また、国際的な文化交流拠点や文化外交を推進する上で重要な位置づけであることを語っていただきました。

続いて、報告では「神保町の現在と課題」と題し、植村八潮氏(専修大学教授)より、神保町の街の歴史、本の街としての発展の過程、それらを経た神保町が持つ豊かな文化資源についてお話いただきました。また、課題としては夜間や週末に開いている店舗が少なく、時間資源が活かしきれていないため、官民学が協力して新たなアイデアを出すことが求められている、とお話いただきました。

 

パネルディスカッションでは、「日本の出版文化を世界にー神保町の可能性」と題し、作家の浅田次郎氏、大屋書房店主の纐纈くり氏、國學院大学観光まちづくり学部学部長・神田学会会長の西村幸夫氏、集英社 社長の廣野眞一氏、モデレーターに報告を行った植村八潮氏が登壇し、神保町という街の可能性やこれからについて活発な議論が行われました。

左から、植村八潮氏、浅田次郎氏、纐纈くり氏、西村幸夫氏、廣野眞一氏

パネルディスカッションでは、神保町が日本の明治以降の発展に大きく貢献したことであることや、昨今、訪日外国人が神保町を訪れていること、神保町に点在する歴史的・文化的な建物の価値や保全活用について、今後、いかにして神保町を世界ブランドにしていくことができるか、といった様々な話題について、それぞれから意見が交わされました。

 

最後に、衆議院議員で活字文化議員連盟 事務局長の笠浩史氏より閉会挨拶を頂戴しました。

 

引き続き、東京文化資源会議では、神保町に点在する様々な歴史・文化資源を活かしたプロジェクトを立ち上げ、国内外に向けた神保町モデルを創出するための取り組みを行ってまいります。