広域秋葉原作戦会議

1.広域秋葉原作戦会議とは

秋葉原は「オタクの街」として国内外に知られています。しかし、既に定着したこのイメージに引きずられることは、街としての次の変化を迎えることを難しくしてしまいます。そこで東京文化資源会議では「広域秋葉原作戦会議」というプロジェクトを立ち上げ、街のさらなる進化を目指すための議論を行うことにしました。本プロジェクトでは、秋葉原を単体の街として考えるのではなく、秋葉原を中心に周囲の街も含めた広域エリア「Greater Akiba(グレーターアキバ)/広域秋葉原」として捉え、エリア全体の江戸時代から今日にかけての歴史を踏まえながら将来像を検討していきます。

2. プロジェクトの具体的目標

  • 変化を連鎖させる知識と情報の交差路としてのGreater Akibaの再認識

Greater Akibaを人や知が行き交う「交差路」として捉え、時間的な変化を整理します。そして各時代背景の中で、街と文化資源(寺社、学校、路地裏など)の様相がどのように関係し変遷してきたかを把握します。

【具体的施策】
・Greater Akiba内の歴史的文化資源のMAP化
・Greater Akibaの歴史的変化と今日の文化に関するシンポジウムの開催

  • オタク文化と文化資源との関係性把握

Greater Akibaの歴史的変化が連鎖した結果、オタク文化は生まれました。そのオタク文化が今日、どのような文化資源(オタク専門店、専門学校、イベントスペースなど)によって支えられているのか、文化と資源の関係性を把握します。

【具体的施策】
・Greater Akiba内でのオタク文化に関連する文化資源の整理とMAP化
・オタク文化資源関係者を集めたワークショップ開催によるネットワーク作り

  • 秋葉原のライブエンタメ文化資源の可能性探求

現在、秋葉原の街にはアイドルパフォーマンスのための劇場やe-Sports用のイベント会場など「ライブエンタメ文化資源」が続々と誕生しています。前述の①と②から得た視座も活用しながら、ライブエンタメ文化資源の可能性を探求します。

【具体的施策】
・秋葉原の街中にライブエンタメ情報センターを整備
・秋葉原電気街口駅前広場と歩行者天国の活用
・「アイドル頂上決戦」や「e-Sportsオリンピック」などライブエンタメイベントのGreater Akiba内での開催

  • Greater Akibaのエリア特性復活

Greater Akibaが有していた知識と情報の交差路としての機能は、次第に弱まってきているように思われます。そこで再びGreater Akibaの各街をつなぎ、常に変化を生み出し続けるエリア特性を獲得することを目指します。

【具体的施策】
・Greater Akiba内の徒歩での回遊を促す街歩きMAPの作成
・秋葉原とGreater Akiba内の各街との連絡・連携強化
・Greater Akibaの「知識と情報の交差路」としてのブランド作り

 

座長:庄司昌彦(国際大学グローバル・コミュニケーション・センター准教授)

プロジェクトマネージャー:菊地映輝(慶應義塾大学SFC研究所上席所員)