デジタルアーカイブとは、有形・無形の文化資源、経験や知をデジタル化することで、記録・保存するとともに、多様な形態での情報提供を可能とするものです。学習や調査・研究、創作活動の基盤としての資料利用の機会を広げ、ネットワークを通じた事物の新たなつながりを発見するなど、インターネット上のデータベースとしての特性を活かし、アーカイブの活用の幅を広げることが期待されています。
東京文化資源会議の地域文化資源デジタルアーカイブ・プロジェクトでは、地域の研究・活動に関するデジタルアーカイブの構築と活用の手法を提示することを目標とし、アーカイブ化から、地域での活動の継続と展開に資する情報提供、活用の手法について検討を進めています。
地域文化資源デジタルアーカイブの目的
・地域の研究・活動(まちづくり、地域誌、郷土史研究、アートイベント等)をデジタルアーカイブとして記録する。
・地域での活動の継続と展開に向け、デジタルアーカイブの活用の仕組みを提示する。
1. 空間軸、時間軸、キーワードによる並び替えなど、集合としての資料の面白さの提示。
2. 現在進行形の活動とデジタルアーカイブを結びつけた魅力的な情報の発信。
3. デジタルアーカイブによるイベントの拡張。
地域文化資源デジタルアーカイブ・プロジェクトの活動の状況
=デジタルアーカイブ制作
地域雑誌『谷中・根津・千駄木』1-10号とその関連資料
1984年に谷根千工房が創刊した地域雑誌『谷中・根津・千駄木』1-10号について、谷根千工房の森まゆみ氏の協力を得ながら、デジタルアーカイブ化をおこないました。雑誌本体と関連資料(インタビューメモ、草稿、チラシ・ポスター、当日販売物、イベント運営資料、写真、引用文献等)のデジタルアーカイブ化を行なっています。
http://lda.tcha.jp/
=成果報告
2017年11月24日に公開シンポジウム「地域の記憶と記録を今に活かす–地域文化資源デジタルアーカイブの役割–」(東京大学ダイワユビキタス学術研究館ダイワハウス石橋信夫記念ホール)を、デジタルアーカイブ学会の後援とデジタルアーカイブ推進コンソーシアムの協力のもと開催し、本プロジェクトのプロジェクトの中間報告を行なうとともに、今後の可能性を探ります。
=デジタルアーカイブ活用事例
谷中菊まつり(2016年10月8日-9日、大圓寺)
2016年の谷中菊まつりの際にブースを出して、デジタルアーカイブの紹介をおこないました。
展示「はじまりの谷根千-地域雑誌『谷中・根津・千駄木』とローカルメディアのこれから-」(2017年11月8日-25日、HAGISO)
谷中の「最小文化複合施設」HAGISOで、『谷中・根津・千駄木』のこれまでの活動についての展示をおこないました。
企画:HAGISO・谷根千工房・東京文化資源会議・地域文化資源デジタルアーカイブ・プロジェクト
後援:たいとう歴史都市研究会
プロジェクトメンバー
柳与志夫 [東京大学大学院情報学環]
宮本隆史 [東京大学文書館]
片桐由希子 [首都大学東京 自然文化ツーリズムコース]
眞籠聖 [国立国会図書館]
井出竜郎 [NPO 法人アート&ソサイエティ研究センター]
中村覚 [東京大学情報基盤センター]
内田昂司 [内田写真事務所・LLP KANKO]
協力
株式会社NTTデータ
国立情報学研究所高野研究室
森まゆみ [谷根千工房]
椎原晶子 [NPO法人たいとう歴史都市研究会]
菊まつり実行委員会
下谷観光連盟
■ウェブサイト・デザイン
DIAGRAPH