東京文化資源会議では、夜間における上野公園文化資源の全面的な活用策について、関係各方面に提案を行うため、上野ナイトパーク構想会議を発足、これまでの検討結果のご報告と今後の上野公園及びその周辺地域のあり方について議論するため、4月3日に公開シンポジウム「上野ナイトパークが日本を変える」を開催しました。
はじめに伊藤滋(東京文化資源会議会長)から主催者挨拶、続いて青柳正規氏(山梨県立美術館館長・前文化庁長官)上野ナイトパーク構想会議座長より、上野ナイトパーク構想会議の設立の趣旨説明を行いました。
基調講演では、浦井正明氏(寛永寺長臈)より上野の歴史について、江戸時代から現代までの過程についてお話いただきました。
上野ナイトパーク構想会議にて議論した内容をまとめた報告書をもとに、柳与志夫(東京文化資源会議事務局長)からご報告をさせていただきました。報告書では、これからの持続可能社会・成熟した市民社会としての日本のあり方に向けて、上野公園とその周辺の地域に豊富に蓄積された文化資源を、昼間のみならず夜間も含めて活用することで、環境・文化・経済をつなぎ、新しい生活スタイル・人々の多様性をつなごうとする構想であることをまとめ、上野公園の現状や、実現することの意義や期待される効果についてまとめています。また、構想の理念のみならず理念の実現化に向けた骨子とともに具体的な実施案を提案するなど、実現化に向けて内容を煮詰めていったものとなっています。
後半のパネルディスカッションでは、「上野の夜から変える」と題し、秋元雄史氏(東京藝術大学大学美術館館長・教授)、上山信一氏(慶應義塾大学教授)、杉浦久弘氏(文化庁審議官)、二木忠男氏(上野観光連盟会長)、司会に吉見俊哉(東京文化資源会議幹事長)が登壇。
上野で日々生活や活動をされている立場からの上野の課題や公園の活用案、夜の上野の課題から、文化の面から美術館や施設がどのようにして連携できるのか、大阪城公園のPMOによる具体的な先進事例をもとに、上野公園の持続的な活用についてなど、幅広い切り口から議論が行われました。
これらの議論をもとに、今後、構想を形にしていくための具体的な活動を行ってまいります。